いわせんの仕事部屋倉庫

データやリンクの倉庫。自分用。

『「力のある学校」の探究』志水宏吉編 大阪大学出版会 メモ1

 

「力のある学校」の探究

「力のある学校」の探究

 

 

 

●新自由主義ー社会的公正主義

「社会的に不利な状況にある層を積極的・重点的にサポートしていこう」とするもの

 

●「効果のある学校」の特徴(Edmonds1986)

1,校長のリーダーシップ

2,教師集団の意志一致

3,安全で静かな学習環境

4,公平で積極的な教員の姿勢

5,学力測定とその活用

 

●「効果のある学校」に向けての11の要因(White&Barber 1997)

1,校長のリーダーシップ

  ・確固とした目的意識に富む

  ・教職員の参加意識を引き出す

  ・専門職としての知識技能を持つ

2,ビジョンと目標の共有

  ・統一的な目標設定

  ・実践の一貫性

  ・同僚性と協働

3,学習を促進する環境

  ・秩序だった雰囲気

  ・魅力的な学習環境

4,学習と教授への専心

  ・学習時間の最適化 

  ・学業を重視する雰囲気

  ・学力形成への関心の高さ

5,目的意識に富んだ教え方

  ・明確な目標設定

  ・構造化された授業

  ・柔軟な学習指導

6,子どもたちへの高い期待

  ・すべての子どもに対する期待

  ・子どもたちに期待を伝える

  ・知的なチャレンジを設定する

7,動機付けにつながる積極的評価

  ・明確で公平な生徒指導

  ・適切なフィードバック

8,学習の進歩のモニタリング

  ・子どもの進歩を的確にモニターする

  ・学校の学力水準を評価する

9,生徒の権利と責任の尊重

  ・子どもの自尊感情を引き上げる  

  ・責任ある役割を与える

  ・自主性を尊重する

10,家庭との良好な関係づくり

  ・保護者が子どもの学習にかかわる

11,学び続ける組織

  ・学校における研修の充実

 

→批判

・過度に単純化している

・学校効果や学校改善に過度に期待することは危険であり、解消の鍵は学校の外にある

 

 

●しんどい子に学力をつける7つの法則(志水2005)

①子どもを荒れさせない

②子どもをエンパワーする集団づくり

③チーム力を大切にする学校運営

④実践志向の積極的な学校文化

⑤地域と連携する学校づくり

⑥基礎学力定着のためのシステム

⑦リーダーとリーダーシップの存在

 

 

●効果のある学校ー操作概念 be

 力のある学校ー目標概念  should

 

●「イギリスの学校効果研究者の間では、学校別の平均点を比較するのはほとんど意味がないという常識が行き渡っている。そこには『家庭の力』が大きくかかわってくるからである」(p21)

 

●「付加価値」という考え方。 

 

●「学校の力」は、「家庭の力」や「地域の力」を組み合わさってこそ、その効力を発揮しうる。

 

●学校の成果を平均点の高低だけで評価し、さらにその評価に基づいて予算や補助金の配分を行うような政策は、不利な地域にある学校をさらに不利な立場へと追い込む「負の連鎖」を呼び込むであろうことが容易に想像できる(p45)

●学力テストの結果を学校の評価へ反映させようという自治体が増えつつあるが、学校の社会経済的背景を考慮に入れなければ、学校間格差を不当に助長する結果しかもたらさないことを肝に銘じるべきである。(P45)